小児の矯正の治療開始時期

お子様の歯の矯正治療の開始時期はいつなのかと悩んでいる保護者の方は多いと思います。今回は開始時期について年齢と歯の生えかわりの時期の観点から説明します。

子供の矯正は、6歳から小学校中学年までの一期治療と、小学校高学年から中学生くらいまでの二期治療に分かれます。一期治療では、骨格の矯正が中心となり、二期治療では歯並びの矯正が中心となります。

一期治療:6歳から小学校中学年くらいまで

費用　10万円から40万円程度

乳歯の時期、あるいは乳歯と永久歯が混在する時期が、一期治療の時期となります。永久歯がきれいに生え揃うよう、上下の顎のバランスや大きさなどを整える矯正が中心となります。

二期治療:小学校高学年から中学生くらいまで

費用　30万円から60万円程度

永久歯が生えそろっている場合は、二期治療となり歯並びの治療が中心になります。基本的な治療法は大人の矯正と同じですが、比較的安価な場合が多いです。また、一期治療から始めた子供は、二期治療が安価に設定されているケースが多いといえます。

1. １．上下の前歯がそれぞれ４本ずつ合計８本が生え変わる６～８才くらいの時期

   前歯の状態や顔つきから将来の上下顎の位置関係が大まかに予想できる時期

2. ２．前歯と大臼歯の間の側方歯が生え変わる１０～１１才くらいの時期

   歯の配列と上下顎の前後的位置を整える治療を行う時期

上記のどちらかのタイミングで矯正専門医に診てもらうと間違いがないです。不正咬合の中には早期に治療を始めた方が良い場合としばらく様子を見た方が良い場合があります。適切な時期に矯正治療を開始すれば比較的短期間に治療効果を得ることができます。小児では乳歯から永久歯の生えかわり時期に上下の顎の成長を利用して前後的なバランスを整えたり、歯列の幅を拡大したりすることが可能です。また、同時に口腔の発育や咬み合わせに悪い影響を及ぼす指しゃぶりや舌癖の改善を行います。その後、永久歯が生えそろった段階で本格矯正として整った上下顎の骨の上にマルチブラケット装置で歯を配列する治療を行います。

1. １．３歳ごろから治療する

   乳歯が全て生えそろう時期

2. ２．永久歯の交換まで待つ

   前歯が永久歯に変わる６～８歳ぐらいの時期

一般的に、３歳ごろから治療をするか、永久歯の交換まで待つかの二通りの考え方があります。個人的には、本人の協力があれば乳歯列の完成後に３歳ぐらいから早期に治療した方が良いと考えています。反対咬合のまま永久歯の交換を待つと、顎の骨がそれに順応して、上顎は奥に引っこみ下顎は前に出やすくなります。永久歯は乳歯の下から生えるので、永久歯の前歯も反対咬合になる可能性が高くなります。早期に反対咬合を改善すれば、前歯が永久歯に変わる８歳ごろまでの約５年間を正常な咬み合わせで過ごせるために、顎骨も正常に育ちその場所に生える永久歯の前歯も正常な咬合が期待できます。