なるべく歯を抜かない歯周病治療

なるべく歯を抜かない歯周病治療と言っても、歯が完全に抜けている場合は基本的に抜歯になります。しかし、骨の吸収がゆっくりと進行して６０～９０％程度の骨が吸収している場合は、治療が終了してもグラグラすることがあります。そのような場合に積極的に歯を固定するために次のような２つの方法があります。

動いている歯を中心として2~5本程度を連結します。一般的なのは、歯と歯の間を透明な樹脂の様な接着剤で固定する方法です。歯を削って被せるのに抵抗を感じる人や、重度の歯周病の治療初期段階に使います。どのくらいもつかは咬み合わせによって決まります。咬合時にほとんどぶつからない場合は数年程度もちます。他に咬む所がなく力が集中する場合には数週間程度しかもたない場合もあります。

動いている歯を、ブリッジなどのように数本まとめて被せて連結し、歯の動きを抑制する方法です。入れ歯を利用して固定する場合もあります。歯周病治療の終了後、歯の揺れを抑えて咬み合わせの力にも耐えられる永久固定を検討します。
歯を削るので、一般的には歯の寿命が短くなると思われがちですが、進行した歯周病では、固定しないといずれ抜歯になることが多いです。この場合は削って被せることで、逆に歯の寿命を伸ばすことが可能になります。