歯周病と知覚過敏について

歯周病の進行により歯ぐきが下がったり、間違った歯磨きの方法(強い力で磨いく・歯ブラシを大きく動かすなど)を続けていると、象牙質が露出してしまうことがあります。そうなると冷たい物などの刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、しみるような痛みを感じます。これが「知覚過敏」です。

「知覚過敏」の症状が悪化すると、歯ブラシが当たるだけでも痛みを感じるようになります。そのため、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)を取り除くための十分なブラッシングが出来ず、歯周病がさらに悪化するという悪い循環が生まれてしまいます。

１.治療の中心は歯ブラシと歯間ブラシ

歯周病の原因は口の中の細菌です。歯ブラシや歯間ブラシなどを使って歯垢をきちんと除去します。上手に歯垢を落とすことができれば治療の約９０％は終了です。どんなに高額な治療や痛い治療をしても毎日の歯磨きがきちんと行われていなければ全て無駄になってしまいます。

２.歯石の中の細菌を除去する

歯石は歯垢と唾液によって作られ、小さな穴が空いています。その中での細菌の繁殖が起こります。歯石の中の細菌は歯磨きなどでは取れないので、歯石ごと細菌を除去する必要性があります。歯石は主に超音波の器具を使用して砕いて除去します。

３.歯ぐきの中の歯石を取る

歯ぐきの中の深い歯石は血液を含み歯ぐきの中で黒く硬く歯に付着しています。超音波の振動や歯石を取る細い器具を使用して除去します。この時、歯ぐきが腫れていたり、出血があると取り残しが増えてしまいます。腫れや出血がない状態にしてから歯石を取る必要があります。

１.知覚過敏の薬を塗る

歯がしみる部分に知覚過敏用の薬を塗ります。知覚過敏の薬は多くあり、歯科医院によって薬の種類は異なります。一般的には何度か繰り返し塗布することで知覚過敏が治ります。

２.コーティング剤で保護する

歯のしみる部分の表面にコーティング剤を塗ることによって、症状を軽減させます。はがれてしまうと症状が戻ってしまうこともあります。しみるようなら再度塗ります。

３.レーザーを当てる

歯がしみるところにレーザーを当てて症状を軽減させます。レーザーには神経を安静にする作用と、歯の表面を硬くする作用があり、知覚過敏を治します。

４.削れた部分をプラスチックで詰める

歯の根元が削れてしみる場合は、その部分にプラスチックを詰めます。削れている歯の根元は、汚れも溜まりやすくて知覚過敏が治りにくいところです。プラスチックを詰めることによって知覚過敏が改善し、歯磨きもしやすくなります。

５.マウスピースで歯を守る

歯ぎしりによって歯の表面や歯の根元が削れ、知覚過敏になります。歯ぎしりは寝てる間に無意識に行うものなので、マウスピースを使用して歯を守ります。また、歯ぎしりが強い方はコーティングやプラスチックを詰めても、剥がされてしまうことが多いため、マウスピースで保護する必要があります。

６.歯の神経を抜く

できるだけ神経は残した方がいいのですが、知覚過敏の症状が強い場合は神経を取る処置をします。また、神経が自然に死んでしまうこともあります。

７.歯周病治療をする

歯ぐきが下がったり、歯が揺れると知覚過敏は出やすくなります。歯周病の治療をすることによって歯ぐきをこれ以上は下げないようにする必要があります。また、揺れが止まってくると知覚過敏は軽減します。

８.下がった歯ぐきを再生させる

歯ぐきが下がってしまうといつまでも知覚過敏が改善しないことがあります。歯ぐきを戻すために歯ぐきを移植し、歯の根元を歯ぐきで覆うことで知覚過敏を治します。