歯の白い点の原因と治療法

鏡で歯を見た時に、歯の表面に白い斑点のような点がみつかることがあります。歯ブラシで磨いても落ちないので、目立っているのを気にしている方も多いかと思います。今回はこの白い斑点（ホワイトスポット）について説明します。

１．歯の白い点の原因

歯の表面にある白い斑点は、白いチョーク状になって見えます。歯の表面のエナメル質が酸性などに傾いた状態が続いた結果、歯の表面のエナメル質にあるカルシウムが少なくなって脱灰して白濁している状態です。これは虫歯の初期の段階と考えられています。歯の表面が白くなっているだけなので、虫歯の穴はまだ見られません。しかしこの状態が長期的に続くと、虫歯の穴が生じてしまいます。

２．歯の白い点の治療法

• ①自己修復作用を利用する
  エナメル質が脱灰された白い斑点は、虫歯のように元の状態に戻らないわけではありません。一時的に失われたカルシウムなどを、唾液中のカルシウムが、歯の表面から失われた部分に入り込み修復する事が可能です。この作用を利用すれば、少しずつ白い部分が修復されて音の歯の色に戻る可能性があります。最近ではより効果的な成分を配合した「ホワイトスポットケア用歯磨き粉」なども販売されています。この場合、きちんと毎日続ける事が大切です。
• ②削って詰める
  ホワイトスポットの内部に虫歯が進行して、内部の象牙質という部分まで虫歯が進行してしまった場合や、ホワイトスポットが改善せずに逆に進行している場合などは、削って詰める場合があります。また、ホワイトスポットは審美的な問題にもなりやすいため、その場所はわずかに削り、歯と同じ色で詰める事で審美性を短期間で改善させることが可能です。

３．歯の白い班点の予防法

• ①間食を出来るだけ控える
  普段は中性を保っている口の中も食事するたび酸性に傾きます。間食を減らすと酸性に傾いた口の中が唾液の作用で中性に戻り、歯の脱灰を修復する時間が得られます。
   
• ②ブラッシングをきちんと行なう
  歯の表面にプラークと呼ばれる粘着性の白い細菌の塊が付着した状態だと、歯の表面が溶かされて白い斑点が大きくなったりします。プラークコントロールを毎日きちんと行うことが予防になります。
   
• ③フッ素配合の歯磨き粉を利用する
  フッ素入りの歯磨き粉を利用すると歯の表面が緻密になり、脱灰して白くなりにくくなると考えられています。

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