歯周病の症状

歯周病の代表的な症状

歯ぐきからの出血を気にされている方は多いと思います。歯磨きの時に歯ブラシに血がついていたら歯周病の始まりです。ですが、歯肉からの出血があっても痛みがないので放置され、歯周病が進行してしまうことが多いです。歯周病は早い段階で気づいて治療すれば怖い病気ではありません。今回は歯周病の代表的な症状について説明します。

 

１．歯ぐきが赤く腫れる

歯ぐきの本来の色は薄いピンク色ですが、歯周病の原因菌が歯ぐきの周りに残っていると、歯ぐきが赤く腫れてきます。歯ぐきの表面では歯周病菌が増加しないように免疫細胞を含んだ血液が集まり、細菌と戦っています。それによって歯ぐきが赤く腫れてしまいます。

対処法

歯ブラシやデンタルフロスをしっかり行い歯周病菌の塊である歯垢(プラーク)を歯ぐきに残さないようにすれば、歯ぐきは引き締まって腫れが引いてきます。

２．歯ぐきから血が出る

歯ブラシやデンタルフロスに血が付いてきたときは、その部分に歯周病菌が残っていて歯ぐきが腫れている証拠です。歯ぐきが腫れていると刺激によってすぐに出血してしまいます。そして腫れや出血が続くと最終的には歯肉の中の骨が溶け始めてしまいます。出血しているからと言って歯ブラシをしないとさらに悪化してしまいます。

対処法

柔らかい歯ブラシで磨き、デンタルフロスも根元から歯垢(プラーク)を掻き上げるように行います。２週間ほどすると徐々に出血は少なくなっていきます。

３．歯石が付く

歯石はプラーク（細菌の塊）と唾液と血液からできています。歯ぐきからの出血が多い場所には歯石が多くついてしまいます。歯石は歯周病菌の増殖の場所となるため、歯石が付くと歯周病が悪化しやすくなります。

対処法

毎日のブラッシングにより歯垢(プラーク)をためないことと、付いてしまった歯石を歯科医院で定期的に取ることが必要です。理想的には３～６カ月ごとのクリーニングがおすすめです。

４．歯肉が下がる

歯周病は歯の周りの骨を溶かす病気です。骨が溶けるとそれを覆っている歯肉も下がり、歯が長くなったように見えてしまいます。

対処法

極端に歯肉が下がってしまった場合は歯肉を移植して根を覆う方法を取る場合もあります。

５．歯がしみる

歯肉が下がると歯の根元や内面の象牙質の部分が出てきます。象牙質は神経とつながっている管を持っていてしみやすいので知覚過敏を起こします。

対処法

唾液の中のカルシウムやリンでその穴は自然に埋められていくことが多いです。しかし、痛みが強い場合は根の表面に知覚過敏用のコーティング剤を塗ります。

６．歯肉から膿が出る

歯周病によって歯の周りの骨が溶かされると、歯周ポケットが作られます。歯周ポケットは歯周病の方の場合はポケット状に深くなっていて歯垢(プラーク)が溜まりやすくなっています。歯周ポケットの中で歯周病菌と免疫細胞が常に戦っているために膿が出てしまいます。

対処法

歯周ポケットが浅い場合は歯石やプラークの除去で改善します。深い場合はポケットの深さを減らす外科的な処置をします。ポケットを浅くして歯石やプラークが溜まらないようにします。

７．口臭がする

歯肉が腫れたり、膿んだりすると口臭がします。特に歯周病による口臭は臭いがきつく、周りの人を不快にさせることがあります。

対処法

歯石やプラーク除去などの歯周病治療をして歯周病菌を減らします。また、3DSというマウスピースを使った殺菌療法で口臭を発生させる細菌を殺します。

８．歯肉が腫れて痛くなる

歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットの中にプラークがたまり続けると歯ぐきの中に膿が生じて腫れて痛くなります。

対処法

小さい腫れの場合はブラッシングをきちんと行うことや抗生剤の服用で改善します。大きく腫れてしまった場合は切開して膿を出す必要があります。膿がたまらないようにするには歯周ポケットは定期的に歯科医院で洗浄するか歯周ポケットを浅くする外科的な処置が必要となります。

９．歯が動く

歯周病で歯を支えている歯の周りの骨が溶けてくると、歯は揺れて動きます。

対処法

歯周病の初期の段階の揺れであれば、歯周病の治療を行うことによって動かなくなります。治療によっても治らない場合は隣の歯と接着剤で固定したり、被せ物を連結して揺れを小さくします。それでも動く場合は抜歯をします。

１０．咬むと歯が痛い

歯の周りの骨が溶けてくると、歯が動いてきます。固い物が咬めなかったり、咬んでも痛かったりします。

対処法

咬み合わせを調整して、咬んだ時の力を軽減したり、周りの歯と固定したりします。それでも治らない時は抜歯をします。

１１．歯並びが悪くなる

特に下の歯の前歯は歯周病によって歯並びが悪くなりやすい場所です。歯周病によって骨が失われると歯が動いてしまい、根が一番細い下の前歯が重なるようになります。そして歯が重なってくると歯周病の菌が溜まりやすくより歯周病がより悪化してしまいます。

対処法

部分的な矯正治療を行います。重なっている歯を小さくしたり、必要であれば抜歯をして歯が並ぶスペースを作り矯正をして汚れを着きにくくします。

１２．歯の神経が死んでしまう

歯周病が進行すると歯の神経が死んでしまうことがあります。神経は虫歯などで死んでしまうことはありますが、歯周病によって周りの骨が溶かされて、根の先から細菌が入り神経が死んでしまうことがあります。

対処法

神経の処置をして根の中を消毒して、根の中の細菌を殺す必要があります。

１３．歯が抜ける

歯周病が進行すれば最終的にはに歯が抜けてしまいます。抜けたままにすると、周りの歯が移動して咬み合わせが合わなくなってしまい他の歯に負担が掛かってしまいます。

対処法

入れ歯やインプラントでの治療をしたり、可能であればブリッジを装着して、咬み合わせわが悪くならないようにして安定させます。

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